Love×Lovers~秘密の婚約者~
―次の日
「篠原先生、アクセサリーの届け出用紙いただけますか?」
今、私は篠原の前。
私に表情だけで、祝福してくれている。
『ええ、いいわよ。どうぞ。』
あえて右手で用紙を受け取る。
『悠梨愛さん、相手はどんな方でしたの?』
私にとっては悪魔のような・・・
普通に見たら、天使のような微笑みを向けて聞いてきた。
だいたいそんなこと聞かれると思ってた。
「とても素敵な方でした。相手のお父様も父も喜んでくれましたわ。」
負けずに上品に微笑み返す。
オーラに何も言わせないわよ、という気を込めて。
篠原の微笑みが歪んだ。
悔しそうに、怒りを込めた目で睨んだ。
その目に気付きながらも、気付かないフリをする。