Love×Lovers~秘密の婚約者~
第二章
私達の障壁。
私達はずっと無言でいる。
と言うか・・・何を話したらいいのか分からない。
先生と誠さんが私を取り合う形になってしまった。
ずっと小さい頃から願っていたこと。
将来の相手は自分で選びたい。
その願いはある意味叶えられていた。
それなのに、誠さんの存在が私をグラつかせる。
お父様の部屋までの、長い長い沈黙を破ったのは先生だった。
『汐美さん、先に行っていて貰えますか?』
『・・・いいですよ。ですが、なるべくお早めに。』
先生は頷いて、私の手を取った。
えっ?私も??
ふたりでひとつ用意されていた、私達の部屋。
部屋に入ると、先生が振り返って抱きしめられた。
「せ・・・先生??」
『秦。俺は、秦だろう・・・悠梨愛・・・』
「秦・・・?秦・・・秦っ!!」