Love×Lovers~秘密の婚約者~
私・・・誠さんの腕の中にいる・・・
違うよ、ここは私の居場所じゃない。
私は先生の側がいい。
『言ったでしょう?悠梨愛の婚約者は、私だと。』
勝ち誇った声が上から降ってくる。
「ちょっ!!やめて下さい、誠さん!!」
私の声は誰にも届かない。
先生と誠さんが睨みあっている。
その重い空気を破ったのは、お父様だった。
『・・・秦くん、すまない。婚約を破棄してもらう。』
「お・・・父・・・様・・・?」
『悠梨愛、お前の前の婚約者は誠君だ。誠君が留学して、破棄されたものと思っていたのだ。家柄上、秦君に破棄されたとは言えなかったんだよ。』
『そう言う訳です、玲羅さん。悠梨愛は返して貰います。』
嫌、絶対いや。
私は玲羅秦の側にいたいの。
「私は・・・っ」
覆いかぶさるように、玲羅先生が誠さんから私を奪う。
『悠梨愛は渡しません。悠梨愛は私に言ってくれた。私が好きだと。』