Love×Lovers~秘密の婚約者~
私をしっかり抱きしめて、誠さんを睨む。
先生の本気の顔。
それでも誠さんは微笑を浮かべているだけ。
分かる・・・何かある。
私はずっと、誠さんを見ていたんだから。
『それ相応の覚悟があるなら、構いませんよ。私は譲りませんから。』
『望むところです。』
待って・・・おかしいよ。
“それ相応の覚悟”ってどういう事?
『そうですか・・・名刺を渡しておきましょう。』
そう言って、ブランドの名刺入れから一枚の名刺を取り出す。
汐美誠・・・汐美・・・
あっ!!
「先生っ、誠さんは・・・っ」
きっとどんな手段も選ばない、そう言おうとした。
『先生?そうか、玲羅さんは悠梨愛の学校の教師でしたね。』
「あっ・・・」
私ってば、余計なことを!!
『玲羅学園、次期理事長・・・ふっ・・・では、失礼します。』