Love×Lovers~秘密の婚約者~


『・・・悠梨愛、分かっているだろう?お前は、西園寺の人間なのだぞ。』


・・・西園寺が・・・なんなのよ。



「・・・分かっています。」


『それでこそ、私の娘だ。』


その言葉に、ぎゅっと先生の手を強く握りしめる。



私は西園寺の人間。


そんな事分かってる。


ずっと小さいころから、自分が存在する意味を知ってた。



私は家のためにいる。


家のため、会社のため、お父様のため・・・



「今の言葉は、私が西園寺の人間だと分かっていると言う事です。」


お父様の困惑の瞳が向けられる。



私は、家のためだけにいるんじゃないわ。


玲羅先生が必要としてくれてるの。


「秦さんと婚約破棄しませんわ。誠さんのもとには、戻りません。」



『なっ!!悠梨愛、何を言っているんだ!!』


お父様が怒鳴る。



「私は、秦さんの婚約者です。私の居場所は秦さんの側だけです。」


『悠梨愛、ありがとう。』


玲羅先生が強く手を握り返してくれた。


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