Love×Lovers~秘密の婚約者~
ため息をついてお父様が答えた。
『分かった。但し、今答えを出すな。少し考えなさい。』
考える必要なんてない。
私のフィアンセは私が決める。
私は玲羅先生が好き。
絶対、離れたくないほど・・・
答えは今も、この後も変わらない。
でも、黙って頷いた。
さっきはちゃんと言えたけど、これ以上楯ついてはいけない。
今は目の前のことしか見えていなくても、ちゃんと分かってくれる。
厳しくても、私を家のためとしか思ってなくても・・・
私のお父様も、誠さんも、誠さんのお父様も良い人だから。
あぁ!!誠さんのお父様の事を忘れてた!!
「お父様、誠さんのお父様はこの事を御存じで?」
『知っている。誠君に自分の力で、と言ったそうだが、このままだと・・・』
お父様は黙り込んでしまった。
そう・・・このままだと、誠さんのお父様が介入してくる。
それこそ、何が起こるか分からない。
だって彼は・・・汐美財閥のトップだもの・・・