Love×Lovers~秘密の婚約者~


『私達と、学園を見て回りません?』


『申し訳ない。少し私用があるので次はいないので・・・』



私に目配せをして、教室を出ていく。


その後ろ姿を、みんなが見つめる。



私も少し間をおいてから、教室を出る。


次は玲羅先生の授業なのに。


玲羅先生の数学は、分かりやすくて面白い。



廊下に出ると、階段の降り口に笙が腕を組んで壁にもたれている。


気付かれないようにため息をついた。



『西園寺、どこへ行く?』


・・・嫌な予感はしていた。



きっとこのタイミングで会ってしまうだろうなって。


「玲羅先生、次の授業欠席します。申し訳ありません。」



『さい・・・』


不服そうな先生の声を振り切って、笙のもとへ向かう。


「笙・・・」



『悠梨愛、もう少し俺が来た事に喜んでくれよ。』


そんな表と裏の顔がある彼は、私に一体何の話があるの?



誠さんのこと?


そんなことだったら、私は授業に戻るわよ。


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