Love×Lovers~秘密の婚約者~


『ここじゃなんだ。屋上へ出よう。』


私は、その言葉に従う事しかできない。



「笙・・・話って?」


ネクタイを緩めて、フェンスに身体を預けている。


笙は私を見上げると、真面目な顔をした。



『お前、兄貴と婚約してるんだろう?』


やっぱりそんなこと?



だろうと思った。


でもね、笙、その情報は間違ってるよ。



「確かにそうだったみたい。でも、婚約はしてないの。」


『・・・何だって?』



「私の婚約者は、誠さんじゃない。」


どうして笙に間違った情報が流れてるのか。



そんなこと分かんないけど・・・


私の婚約者は玲羅先生。


私は先生と婚約破棄する気も、誠さんと婚約する気もない。



『その口調・・・婚約者はいるのか・・・』


「・・・いるよ。まだ発表はしてないけど。」




< 57 / 73 >

この作品をシェア

pagetop