Love×Lovers~秘密の婚約者~


笙は先に教室へ戻って行った。


ふと空を見ていたいと思って、しばらく屋上にいた。



サイレントをオフにしていたから、音が鳴ってびっくりする。


「今日はよく携帯なるなぁ・・・」



なんて空に向かってはいた時。


『・・・なんでメールを見ない?』


聞き覚えのある声に、振り向く。



「玲羅先生・・・?」


私の後ろには、玲羅先生が立っていた。



私が“玲羅先生”と言うと、私を抱きしめた。


久しぶりの温かさで、ほっとする。



先生は私よりも大きくて、たくましい。


包み込んでくれる。



『探した。頼むから、俺のそばからいなくならないでくれ・・・』


理由を言わずに欠席した事、戻ってこないこと。


それが先生を不安にさせてたんだ・・・



「ごめんね、先生。ずっと離れないから。離さないで・・・」


学園の中だけど、今は良いよね?



「先生・・・」


『悠梨愛・・・』


私達は屋上で、キスをした。


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