東京の夕日
結果、前日と同じように暑い夏の朝を迎えた。

独り暮らしの部屋にクーラーなんてある訳が無い北国の夏。

北国も暑さは一人前だがほんの一瞬。
ストーブを使う半年間に比べればやはりクーラー使う日なんて両手両足の指を足した数より少ないかも知れない。

呑んだ酒のアルコールも、全開の窓と、扇風機による空気の循環で身体から抜けていったのだろう。

私はただ痛む心を抱えていた。

…いや綺麗すぎる。
本当の所は浮腫んだ顔と瞼を手で覆っていただけだ。

今日が日曜日なんて事は忘れてしまいたい。

ビールと共に飲み干したはずの涙がまだ、頭の奥底から、雑巾を絞るように

溢れては止まり
溢れては止まる。

わざと泣こうとしているようにも思えるけれど、自分でもそれは分からない。
とにかく『身体が泣かせていた』

必要の無い早起きをしてしまった日曜日。

だけど、もう寝られない。
寝たい気分でもかった。


仕方なく私は何の予定も無いくせに、バッチリ化粧をして外へ出た。
勿論、腫れた瞼を目立たなくするために青いシャドウと太いアイライナーでしっかりカバーして。
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