スキ、だけどキライ
‥そうか。
相手は‥‥颯太と勝負するつもりなんだ。
九番バッター、一番バッターを歩かせて全ての塁を埋めて‥
ボールが転がればいっきにゲームセット。
足の速い颯太だけど‥
走れるほどの体力はない。
それを見越して、相手チームは勝負をかけてきたんだ。
颯太には‥無理だ。
目をぎゅっと瞑って下を向く。
甲子園‥
『いな‥なっ!!!苓那!!』
「え?」
前を向くと、颯太がこっちを向いている。
口をパクパクさせて何か言った。
ホ
|
ム
ラ
ン
打
つ