スキ、だけどキライ
卒業式当日。
長い長い校長の話をウトウトしながら聞いて、式も無事終了。
あとは卒業生が部室に来るのを待つだけ。
『卒業生来たぞお』
新キャプテン夕張の一声で一列に並ぶ。
「卒業、おめでとうございます」
「「「「おめでとうございます」」」」
『サンキュー』
「あの‥厚かましいお願いですけど‥一人一言お願いしますっ!!」
『んー。じゃあまず西条からなっ』
「はっ?なんで俺が。まあいいやいきまーす」
文句を言いながらも、喋り始めた西条先輩。
「俺が野球を始めたのは、小学三年のときでした」