【短編】恋多き男くんっ
「やっぱめぐりも一緒だった。……気持ちなくなっちゃった」
一瞬……時間が止まった気がした。
「あ……あはは。そっか、そっか。やっぱそうだったじゃん。あたしが言ってた事は間違いなかったね」
そう言ってあたしは笑顔を一生懸命作った。
「てか、謝る必要ないし。気にしないで」
すると蓮くんもフッと笑って俯いた。
「だよなぁ。俺がめぐりを好きになるなんてないよなぁ」
……。
その言葉を聞いて胸が痛かった。
「うん!そうだよ」
「何かごめんな?変な事に巻き込んで」
そう言って蓮くんは微笑んだ。
変な事……か。
「んじゃ。明日から友達に戻るって事で」