【短編】恋多き男くんっ



結局……。




あたし達は友達に戻る事なく――……。




「いってきまーす」




いつもどおり玄関を出ると、家の前で。




「めぐりおはよ♪」




人懐こい笑顔の蓮くんが立っていた。




「お、はょ」




顔を赤らめながら、あいさつすると蓮くんはあたしの手を優しく握った。




そしてあたしを見下ろして微笑む。




「行こっか」




そう言って微笑むから、あたしは大きな蓮くんの手を握り返した。



「うん」




……――恋人として、また新しい関係を始めた。




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