【短編】恋多き男くんっ
教室に着いて俺は慌てて机からCDを取り出した。
「あった」
CDを見つめて俺はフッと笑った。
さて……早く戻んないと。
俺は机に背中を向けた、その時だった。
「えぇ?だってめぐり、佐久間とラブラブじゃん」
……俺?
廊下の方で俺の名前が聞こえてきて、そっちに顔を向けるとめぐりの友達の真由子ちゃんの姿が見えた。
「あー。あれ違うよ。そう見せてるだけ」
え……?
「めぐりがさ。佐久間の目を覚まさせたいとか言ってたから。あたしが適当に相手しとけば冷めるんじゃない?って言ったの」
その会話を聞いて、俺は体に電気が走った気がした。
「マジでー?」
何だ……。