キミにサヨナラをする。



「ゆぅ……ありがと…ごめん…」



心愛は、必死に口を動かしていた




俺は泣きそうになるのをこらえて、必死に頷いた。


きっと、心愛の最後の言葉になるから。



直感でわかった。
心愛は、もうすぐ死ぬんだ。




「すき、だよ…すき。……ずっと一緒に……いたい、よ……ど、して……叶わないのぉ?」


心愛の顔は、涙でぐしゃぐしゃだった。

俺も、涙がこぼれ落ちた。
我慢なんて、できなかった。




「うんっ……俺も好ぎ……っ愛してるよ…っ」



「ゆぅと…同じ未来っ、みたか、った…な………それっ、て…欲張りな、ことかなぁ?」




神様、お願いです。



心愛を連れて行かないでください


俺の、大切な大切な、幼なじみなんです。




助けてください。



心愛と、これからの未来を歩いていきたいんです。





僕たちに、幸せな未来を下さい。










.
< 113 / 121 >

この作品をシェア

pagetop