キミにサヨナラをする。



― Dear,大好きなキミへ ―








言葉に出すのは恥ずかしいので、
手紙を書くことにしました。



ゆぅがこの手紙を読んでるとき、
私はもう、ゆぅの隣にいないんだろうな。

そう考えると、やっぱりさみしいね…。


ゆぅは今、どんな顔してこの手紙
を読んでるんだろう?



たぶん、たぶんね?
私の予想だと、泣いてると思うんだ。
ゆぅは昔から強がりなわりには、泣き虫だからね。


でも、強がりなゆぅも、泣き虫なゆぅも、どんなゆぅも、私は大好きだよ。




だから、泣かないで。
…ううん、本当はゆぅが私を思って泣いてくれること、嬉しいんだ。
でも、でもね。
ゆぅが私を思って笑ってくれてる方が、何百倍も嬉しいんだよ。

だから、笑って?


ゆぅの笑顔が私の生きる意味だから。




―「ごめんね」より「ありがとう」

私はそんなかっこいいこと言えないから。
私はゆぅにいっぱい、いっぱい「ごめんね」って言いたいんだ。
だって言えるのは今の内だから。

でも…
やっぱり、「ごめんね」よりも、「ありがとう」のほうがゆぅに伝えたいんだ。



いっぱい傷つけて、ごめんね。

ゆぅの気持ちわかってあげれなくて、ごめんね。

ゆぅを一人にして、ごめんね。


優しくしてくれて、ありがとう。

抱きしめてくれて、ありがとう。

私を好きになってくれて、ありがとう。

一緒にいてくれて、ありがとう。

いっぱいいっぱい、幸せな気持ちをありがとう。

生まれてきてくれてありがとう。



ありがとう、ありがとう、ありがとう。

感謝してもしきれないよ。






最後に、
一番伝えたいことがあるんだ…










――――――…



俺は、こみ上げてくる涙を、もう我慢しようとはしなかった。


「今だけ泣いても、いいよな…」



手紙は、二枚目にいっていた。










< 117 / 121 >

この作品をシェア

pagetop