キミにサヨナラをする。



「あれっ、心愛?」




びくっ


心愛の肩が、震えた。



「ゆ………ぅ………」




「えっ、優チャン!?今の見てたっ?」


ヒロが、少し赤くなりながら言った。




「ん?なんかしてたの??もしかして俺、邪魔しちゃった!?」



笑顔を作る。




心の中は黒いもやでいっぱいだ。





「いやっ、なんでもない!!」



「そうか?今心愛探してたんだよ!!雨ふってきたから、心愛の母さんに送ってくれって電話きてさ!」




「あ、そーなんだ!じゃあ俺も帰るかな。また明日な、ここ!!」



ヒロは、にこっと笑って帰って行った。





「……行くぞ。」


俺は、自分でも驚くくらい低い声でそう言った。










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