キミにサヨナラをする。



「…っ、やっぱり、本当なんだね……心愛が病気だって。」


心愛の母さんは、驚いたように俺の顔をばっと見上げた。




「優ちゃん……なんでそのこと……」




「…俺が無理矢理、峰村に聞いたんだ。」





「ああ、はるかちゃんが……。」



「なあ、教えてくれよ!心愛はなんて病気なんだ?助かるのか?あいつは今どこにいるんだ?あいつは…っ!」


ずっ…

鼻水をすう。
情けないけど、涙が出そうだ。


「優ちゃん、落ち着きなさい?」





「あいつは…っ、
泣いてないですか……」


俺は震える声で言った。自分の頬に暖かいものが伝ったのがわかった。




「……っ!!」



心愛の母さんの、すすり泣く声が耳に届いた。




心愛の母さんも、不安で押しつぶれそうなんだ…。










.
< 63 / 121 >

この作品をシェア

pagetop