キミにサヨナラをする。
「さ、優ちゃん座って?」
心愛の母さんは、まだ少し瞳に涙を溜め、鼻を赤くしていた。
それを隠すかのように、笑顔で俺にお茶を出してくれた。
「…ありがとう、ございます…」
俺はお茶を少しもらった。
涙のせいか、お茶は少ししょっぱく感じた。
「じゃあ、話すけど…その前に、一つ確認していいかしら?」
心愛の母さんの目は、もう涙は溜まっていなかった。
そのかわりに、力強い目がそこにあった。
「はい…なんですか?」
「優ちゃんは…
心愛のことが、好き?」
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