四季恋 * -シキコイ-
「藍斗ー笑いすぎー。つか、ドッジ行くんじゃねーの?」
藍斗は、ドッジをやってる校庭じゃなく、中庭に向かっていた。
中庭は、人通りが少なく、告白に大人気な場所。
なんでこんなとこに来たんだろ?
「なにー藍斗もしかしてうちのこと好きなの!?」
うちは、にやーっと笑いながら言った。
すると、藍斗はこっちを振り向いた。
―‥びっくりした。
だって藍斗が真剣な顔をしていたから。
いつもとぼけたようなアホ面か、にこにこと笑っている顔しかしないから。
藍斗のこんな顔は見たことがなかった。
「…そうだって言ったら、どうする?」
「え……」
藍斗が、ほんとにうちのことが好きってこと?
「うちらは…友達じゃん。」
つきあうとか、わかんないし…
「…こみや、俺さー。おまえのこと、友達だと思ったこと一回もないんだけど?」
なにそれ…!
「最低!うちはずっと藍斗のこと親友だと思ってたのにっ!!」
ぐいっ
「うわっ!」
うちは、藍斗に抱きしめられた。
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