四季恋 * -シキコイ-



「藍斗ー笑いすぎー。つか、ドッジ行くんじゃねーの?」




藍斗は、ドッジをやってる校庭じゃなく、中庭に向かっていた。


中庭は、人通りが少なく、告白に大人気な場所。


なんでこんなとこに来たんだろ?




「なにー藍斗もしかしてうちのこと好きなの!?」



うちは、にやーっと笑いながら言った。


すると、藍斗はこっちを振り向いた。




―‥びっくりした。

だって藍斗が真剣な顔をしていたから。


いつもとぼけたようなアホ面か、にこにこと笑っている顔しかしないから。

藍斗のこんな顔は見たことがなかった。




「…そうだって言ったら、どうする?」


「え……」



藍斗が、ほんとにうちのことが好きってこと?




「うちらは…友達じゃん。」


つきあうとか、わかんないし…



「…こみや、俺さー。おまえのこと、友達だと思ったこと一回もないんだけど?」


なにそれ…!


「最低!うちはずっと藍斗のこと親友だと思ってたのにっ!!」



ぐいっ


「うわっ!」





うちは、藍斗に抱きしめられた。










.
< 21 / 50 >

この作品をシェア

pagetop