くつひも
気を取り直してタラコスパゲッティを平らげる俺。

思ったより全然旨かった。一流料理店とタメ張るんじゃね?これ。ついて来たアンケートの表記に旨い以外の選択肢がない事に疑問を隠しきれないが。

「空いてる食器お下げします。食後に軽いデザートのサービスありますけど…お付けしましょうか?」

席に皿を下げに来たのは俺の天使。じゃなかった。有坂さんだった。いいね、かーいーね。魔女とは大違い。

「そうだね。貰おうかな。でもサービスいいね、デザート付きなんて。」

有坂さんはデザートのサービスといってもちょっとした物な事。お客さんが余り来ないので苦肉の策な事。自分と魔女が同じ学校に通う高校3年生。受験終わりな事を丁寧に説明してくれた。

…いや、勿論最後のは俺が聞き出したんだがね。

「それにしてもさ。有坂さんは礼儀正しいよね。くるみ…さん?だっけ。もう一人の子とは大違い。」

「いえいえ、接客業ですから。くるみちゃんはあれでファンの人多いんですよ?具体的には常連さんの8割くらいです。あんまり悪口言っちゃダメですよ?ウチのエースなんですから。」

と言って百万$の笑顔で帰って行く有坂さん。
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