ずっと…

HR

帰りのHRが始まる

チャイムが鳴る。

普通はみんな席に着くんだろうけど

私たちのクラスは

基本自由。

だから誰も席に
着かない。

私は教室のベランダから
外を眺めていた。

「希美ーっ!ちょっと聞いてよ!」
そう言いながら走ってきたのは
茶髪のボブカット

ぱっちり二重の大きな目
これぞ甘顔!

なのにハスキーボイスという

ギャップを持つ

小春だった。

「どうしたの?てか、テンション上げすぎ!」

私が小春の肩に

軽くパンチを

食らわせる。

「痛いしっ!あんね!小春昨日コンサート行ったじゃん!そしたらまた涼くんにサイン手渡しでもらったの!」

またその話か…。笑

小春は某有名イケメンア
イドル事務所の人気グル
ープにハマッていた。

それが小春のルックスが
良いせいか

メンバーに気に入られた
みたいでコンサートの

度にサインをもらってくる。

最初は偶然だと思ってい
たが、他クラスの子や

そのグループのファンの
子から

「滝川小春ちゃんって彼女なんだよね~」

最近よく聞かれるし

メンバーについて

語り合う掲示板には

《涼くんの彼女は福岡住の一般人!名前は小春!

などの書き込みが多くしてあり、

こんな事ってあるんだー
と思いながら

コンサートやイベントが
あれば、学校を休んでで
もどこまでも遠征にいく
小春のガッツと愛は

すごいなぁと感心する。
< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop