雪に埋もれた境界線
久代がそんな高田を一瞥し、陸に耳打ちした。
「あの人にだけは、面接受かって欲しくないね」
陸は部屋を見渡すことに夢中になっていたので、久代の言葉に何も返事をしないでいると、木梨と相馬と座間が緊張した面持ちで、空いているソファにおずおずと座った。
「あれは、スクリーンではなく、大きなテレビなんだなぁ」
ソファに腰掛けた木梨が大きなテレビを指さしながら、誰にともなく吐息混じりに云った。
「ねぇ木梨さん、あのテレビ、このリモコンで操作するんだよね?」
テーブルの上に置いてあった大きめのリモコンを手に取りながら、久代が興味津々に、大きな目を輝かせながら訊いた。
「あぁ、多分そうだろうね」
木梨がそう答えると、久代はテレビのスイッチを入れた。大きなテレビは光を放ち映像を映しだすと、皆一斉にテレビを見た。
テレビは丁度夜のニュース番組がやっており、女性キャスターが原稿を読み上げているところで、相馬が真っ先に口を開いた。
「あら、私いつもこのニュース番組見ているのよ。女性キャスターの声が聞き取りやすいのよね」
相馬はひとり言のように云ったが、座間が嬉しそうに答えた。
「相馬さんもですかぁ。私も会社から帰ってきて、家でビールを飲みながら、この番組を見るのが日課ですよ」
相馬と座間は顔を見合わせ笑った。
陸も居酒屋が休みの時はこの番組を見ている。しかし、久代は嫌そうな顔をしていた。
「あの人にだけは、面接受かって欲しくないね」
陸は部屋を見渡すことに夢中になっていたので、久代の言葉に何も返事をしないでいると、木梨と相馬と座間が緊張した面持ちで、空いているソファにおずおずと座った。
「あれは、スクリーンではなく、大きなテレビなんだなぁ」
ソファに腰掛けた木梨が大きなテレビを指さしながら、誰にともなく吐息混じりに云った。
「ねぇ木梨さん、あのテレビ、このリモコンで操作するんだよね?」
テーブルの上に置いてあった大きめのリモコンを手に取りながら、久代が興味津々に、大きな目を輝かせながら訊いた。
「あぁ、多分そうだろうね」
木梨がそう答えると、久代はテレビのスイッチを入れた。大きなテレビは光を放ち映像を映しだすと、皆一斉にテレビを見た。
テレビは丁度夜のニュース番組がやっており、女性キャスターが原稿を読み上げているところで、相馬が真っ先に口を開いた。
「あら、私いつもこのニュース番組見ているのよ。女性キャスターの声が聞き取りやすいのよね」
相馬はひとり言のように云ったが、座間が嬉しそうに答えた。
「相馬さんもですかぁ。私も会社から帰ってきて、家でビールを飲みながら、この番組を見るのが日課ですよ」
相馬と座間は顔を見合わせ笑った。
陸も居酒屋が休みの時はこの番組を見ている。しかし、久代は嫌そうな顔をしていた。