春陽
もう繰り返したくない
数日前にひっくり返されたままの食卓。


破けて埃がかかりかけた襖。


ヒビが入り角に穴の空いた窓。


…そして毎晩罵声と悲鳴が響くこの家。








痛む胸に手を当て、私はその夜家を飛び出した。

< 1 / 181 >

この作品をシェア

pagetop