春陽
その頃、定時を2時間ばかり過ぎた千理は帰宅の支度をしていた。
まだプロジェクトが始動したばかりであちらこちら残る人も居るようだが、優里の事を考え早めに帰る事にした。
「んじゃ、お先上がります」
「ん、お疲れ」
上司の要を筆頭に同僚や後輩達がそれぞれ挨拶をする。
「お疲れ様でしたー」
優秀も近くに来てお礼と挨拶をする。
「お疲れ。今日はご馳走様な」
「お、またな」
千理は優しく微笑み、仕事場を出た。