春陽
千理は治まれば良いと様子を見ていたのだが一向に治まらない。
「うぅっ、ひくっ、うぇっ…うぅー」
様子を見ていたが、酷くなるばかりなので、起こしてあげようと思い電気を暗めに点けた。
「…な」
灯りをつけると、優里は汗だくになり酷く何かにうなされていた。
「大丈夫か?おい!」
肩を叩き、起こそうとするがなかなか起きない。
「うぇ…やぁだよっ…えっ」
優里の歪む表情に耐えられなくなり、思わず優里を抱き締めて千理は言った。
「起きろ、優里!」