春陽
「すっ、すみません!」
つい今まで泣いていた優里に急にそんな事を言われ、目が合った千理はきょとんとした。
「…へ?」
「い…色々…言ってしまって…」
また話していく内に優里は俯く。
「くすくす…そんな事気にしてないよ。優里ちゃんが少しでも吐き出せたんならそれで良い」
そんな事を気にする優里が可愛く思えて千理は微笑む。
俯いている優里には千理の顔は分からない。
「…お嫌じゃなかったですか?死にたい…とか言われて…」
「嫌じゃないよ。それに死にたいって事は…それだけ辛かったって事だと思うから」
その否定的でない千理の言葉に優里は顔を上げた。
久しぶりに何かの温もりに触れられた気がして…涙を浮かべながら笑顔で千理に言った。
「…ありがとう…ございます…」