春陽
「…さて。今日はどうする?」
鏡を前に腰に手を当て考える寺島。色んな角度から髪を触りながら聞く。
「爽やか系か?色艶系か?」
「何だそれ、爽やかは分かるが色艶系ってなんだ?(笑」
寺島は職業柄、様々な雑誌を見る為にたまに聞く千理にとっては理解不能な単語が時々ある。
「要するに色っぽいって事だ」
「んー、何だか分からないけど、とにかくカッコ良くしてくれ」
飾りっ気の無い返答が面白いのか、クスリと笑うとお決まりの笑顔で寺島は答えた。
「かしこまりました」