春陽

―その頃、向井はと言うと…

金曜日に優秀から頼まれた仕事の引き継ぎをしていた。


「書類はこちらで全てです。ちなみに納期は一番最後の用紙に記載しておりますのでご確認をお願い致します」


「ん、確かに。また何か不都合があれば報告します」


優秀からの用件を済ませ、ひと段落つく間も無く自分の案件に移る。


先週から始動したプロジェクト納期は1ヶ月。かなりハードな物だ。

草案の時点でかなり時間を取られたようだがそんな事は千理は言ってられない。


(下手すりゃ今から泊まり込みかなぁ…。優里ちゃんは…大丈夫かな)


携帯を持っているのが千理だけの為、いつかけて良いのかタイミングを計りかねていた。


だが重なる仕事と、昨日見た笑顔で安心してした為か、週末になるまで連絡を待つ事にした。



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