春陽
優里の顔から落ち着いた表情を読み取れたので、千理は話を振ってみる事にした。
「優里ちゃんは…どこか行きたい所ある?」
不意の申し出に固まる優里。?マークが頭の回りに整列中。
それを見て千理はくすくす笑い。
「クス…あ、いや今度の休みにまたどこか行こうか。」
優里の顔が戸惑いながらも少し明るくなる。
「…え。良いんですか?お仕事…忙しくないですか?め、迷惑にならないでしょうか?」
小さな子の頭をそうするように、ポンポンと手を置き千理は答えた。
「僕から誘ったんだから、優里ちゃんが気にしなくて大丈夫だよ(笑)ありがと」
優里はその笑顔に、少し頬を赤らめたのは千理も本人も気付いてもいなかった。
無論、千理の暖かさの中に若干熱を帯びた眼差しにも。