春陽
ゆっくり町の灯りを見つめ、高台を降りながら、ふと考えた。
(あぁは言ったが、本当に降りてくるのか…もっと他に言い方があったのか…側にいてやったら良かったのか…
あぁ分かんねぇ。こう楽観的だと何て言ったら良いのか悩むな…あー…)
あっと言う間に下界に着いた。
着いてくる気配が無いので心配になる。
ふと、目の前の通りにある歩道に、少々柄の良くない少年が歩いているのを見つけた。
(うわ、かなーり心配…)
急いで高台へ戻ろうと踵を返した途端、黒い影が後ろにあるのに気付いた。