春陽

廊下を過ぎて台所。

状態は優里が家を飛び出した昨日のまま何も変わって居ない。

相変わらず皿が割れて床に落ちている。


兄は片付けると怒るから…そのままだ。


優里は部屋へ入った。

隣は兄の部屋。テレビの音は決まって夜中まで鳴り止まない。


耳と目を塞ぎたくなるような家の中で

優里は今日あった事にささやかに想いを馳せた。


あの満天の星空の下の温もりへと。

そして穏やかに…目を閉じた。



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