春陽

その頃、学校へ着いた優里は

まだ開かない昇降口の前でぼんやりと座っていた。


まだ外は暗い。

朝番の先生が居るのだろう、うっすらと職員室の灯りが点いている。

(やっぱり…寒いな…)


寒さのあまりうずくまっていると、何か声が聞こえた。


「おい、倉科」

志摩 恭平だった。

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