春陽

「先…生、あ、おはようございます」

優しい雰囲気の恭平に胸が少し痛くなる。

「また朝早いなぁ。寒いから中に入りなさい」


薄暗い外から、珍しく早い登校をした優里に何か事情があるのを悟ったのか

恭平は優里を音楽室へ連れて行った。


「そこに座りなさい。今紅茶を入れるから。あ、飲める?」

「飲めます…」

恭平は一つ笑みを浮かべると準備室へ消えていった。

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