春陽
優里は必死に自分の気持ちを殺しながら、あくまで客観的に話すように努めた。
誰も、兄も悪いように見られる事の無い為に。
知識や情報が事足りない中学生に今出来る精一杯の努力。
大好きな兄が変わってしまった事。
それは何か病気に原因がある事。
毎日のように続く惨事。それを引き起こしてしまう兄の事、それは精神的な病の為に自分をコントロールできないという事。
その環境から出来るだけ母を逃がし、ほとんど一人で過ごしている事。
簡単ではあるが説明した。