春陽
「ありがとうございました」
お礼を言うやいなや、ニカッと笑いながら小夜が言った。
「奥のベッド空いてるから、今日は倉科さんの特別席ね」
サッパリした言い方だったが…その小さな優しさは優里に沁みた。
「小夜先生、ありがとうございます」
優里はふかふかのベッドに入ると、あまりにも疲れてにすぐ眠りに就いた。
「全く、無理しちゃってからに」
小夜は優里の寝息にクスリと笑うと、次の作業に取りかかり始めた。