春陽
起き抜けからか長椅子にボーっと腰掛けていると、隣に自分の鞄があるのに気付いた。

薄汚れた鞄は小さなクリアファイルとお洒落なクリーム色の封筒を乗せていた。

封筒を手に取ると、中には小さなメッセージカードがあった。

胸がドキドキする。

今までこんな手紙らしき物を貰った事が無かったから…。



『ファイルの中に私のノートのコピーを入れておきました。お大事にね

滝沢 』



簡素な文章なのに、優里は嬉しくて、照れもあるせいか顔を赤くして微笑んだ。


「さって、終わったよ~。…ん?何ニヤケてるんだ?(笑」


…突っ込まれた。


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