双の月(そうのつき)
第四章 ごめんね…
心
あたしが起きた頃にはもう辺りは暗かった。
「母さん!!!
わかってくれよ!!!」
「ふざけないでよ!!
利一も…グスッ
冗談やめなさい!!」
「冗談じゃねぇょ!!
母さん…泣くなよ。
しかたねぇじゃん…」
「仕方なくなんかない!!
利一と里奈は兄妹なんよ!!」
2人の争う声が聞こえた。
それは、紛れもなく
"あたし達のこと"
だった。
きっと利一は、あたしが寝てる間に母さんと話しをつけてくれようとしていたんだろう。