秘密の彼氏
「ま、待って!!」
普通に大声を出してしまった...
拭石はメガネ越しにちょっと目を大きく開けて「はい?」と言った。
「ち、ち、ちょっとだけ~・・・お願いが~・・・」
「あ、あはは」とぎこちない笑い方しか出来なくなるあたし。
でも拭石は少しだけ戸惑いながらも、
「いいですよ。なんですか?」
と微笑して答えてくれた。
拭石って優しいなあ...。
「もう一回座って?
..で、少しだけ。そのままでいてね?」
“動くな”の指令を出してから、あたしは自分の部屋へ『拭石改造セット』を取りに行った。
これとこれと...これ!
持って行く物が決定。
拭石がいる部屋へダッシュ。