秘密の彼氏
「へ?ええぇ?!」
顔が真っ赤な拭石はパニック状態だ。
「いや!勘違いしないでね!!!」
学ランのボタンを全て外し終えて、またもあたしは言葉を失う。
Tシャツ....
拭石が着ていたTシャツには
「マジカル☆魔法法律所」
という,ブリブリした文字が躍っていて
中央にはなにやら星のスティックをもった少女がバッチリポーズを決めている。
「....」
いや!!!
大丈夫よ!
あたしが今から拭石を世界一かっこいい男に変えてやるんだから!!!
そう一人心に決意して
「はい!これ下に着て?」
そう言って手渡ししたのは,あたしのお兄ちゃんのTシャツ。
あたしは三人兄弟の真ん中なのだ。
上にはイケメンなおにいちゃん。
下には可愛い妹。
これはお兄ちゃんがあたしの家に遊びに来た時に
また来るかもしれないから。
ということで置いていったもの。
「はっ、はい..」
拭石はお兄ちゃんのTシャツを受け取った。