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ファミマにつくと
暗い道ばかり
歩いていたものだから
電気の白色が
あたしの目を
チカチカさせた。


『篠原

はい。ドレッシング』


あたしが中に入って
何気なく店内を
見渡していると
佐伯くんはさっさと
どこからかドレッシングを
取ってきて、
あたしの右手に
渡してくれた。


『…え?

あ、ありがとう。

早いね?』

『急いでんだろ?』


まぁ…そうだけど。

口ごもって
空いているレジの
カウンターにドレッシングを置く。

お金を渡して
お釣りを受け取り、
あたしの後ろには
やっぱり佐伯くんがいて。


『…佐伯くんの買い物は?』

『え?

何て?聞こえなかった』


『…やっぱ何もない』




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