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『…きゃっ…』



急なことだったので
思わず体がフラついて
転びそうになった。


地面にお尻がつく
寸前のあたしの腕を
力強く引っ張って、

あたしと
目を合わせたのは
佐伯くんで。



『こんなとこで何やってんの?』



あたしが立ち上がると
佐伯くんは
不思議そうな目で言った。

『…え、

お母さんに…買い物頼まれてさ』


『篠原』



あたしは答えた後
早く行こうとして
スーパーに歩きだそうとすると、
佐伯くんは
またあたしを呼び止める。

ほんとに
うっとうしい人だな…



『…何!?急いでるんだけど』


『なんで泣いてんの?』





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