【冬】クリスマスナイト 〜ある少年の奇跡物語〜
「シュリ!!人がたくさんいるんだから大声出すなよ」
「だって〜」
シュリはすねたように頬をふくらませ、そっぽを向く。
僕はそんなシュリを見て深いため息をつくと、空気の冷たさのせいで息が白んで消えていった。
太陽が出てるにも関わらず、やっぱり寒い。
マフラーは必須だな。
そう思いながら、シュリの服装を横目で見やった。
シュリは僕の家の近くにあるお屋敷に住んでるお嬢様。
今日もお気に入りの白いマフラーとフリルのついた白いコートを羽織って温かそうだ。
それに比べて僕の格好はというと、古びた茶色のコートに黒いマフラー。
コートなんか着てるだけで、冷たい風がコートをすり抜けて肌に染み付いてくる。
.