だから、笑え
日和が、下唇を噛む。今にも泣きそうな大きな目。色素の薄い柔らかい髪の寝癖が可愛い。つーか犯罪だろ。朝から興奮させんな。
「な、に、って」
どもった口調で、日和は俺から視線を離す。
「駄目、こっち向け」
目、逸らすな。
日和は、茹で上がりました、みたいな顔で俺をまたキッと睨んで、必死で対抗しようとする。いや、だから怖くねーって。
「怒ってんだろ?『今日という今日』は?何してくれんの?」
俺の言葉に、言い返す事が出来なくなる日和。あー、やべー楽しい。
自然と笑みがこぼれてくる。
俺は、日和の赤くて小さな唇、数センチまで顔を寄せる。
奪いたい。
だけど、駄目、だな。
抑制きかねーし。