だから、笑え
それに、
小春とも約束したし。
ココじゃ駄目だな。
なんて、俺がぼんやり考えていると、日和の腕に力が入った。
「…げんっ」
げんっ?
「限界ですっ!!!!」
真っ赤な顔をした日和は、嘘みたいな馬鹿力で俺を押し倒して、
「うぎゃーっ!!」
訳の分からない悲鳴を上げた後、
すごい勢いで、部屋を飛び出して階段を下りていった。
俺は、
ガツンという角に頭をぶつける音を聞きながら、
普段は力弱えー癖に、なんでギリギリでいつもあんな馬鹿力が出るんだと思いながら、毎回の行事のようなこの一連の動作さえも愛しい自分に笑えた。