親友!?幼なじみ!?恋人!?


えっ?


イヤなわけないって…


今、言ったよね。



じゃなんでダメって言ったの?

おろせって言葉、否定してくれなかったの?




「イヤなわけない。俺と美波の子どもだから。好きなひととの赤ちゃん、嫌なわけないだろ?」


「じゃ、どーして」

ダメって言ったの?


そう続けるつもりが慎吾の言葉によって遮られた。

しかも、わたしの想像してた答えとはまったく違ってて、言葉が出なくなってしまう。



「今、子ども生まれても養えない。そうしたら困るのは生んだ美波と生まれてくる子どもだろ?それに…美波には夢があるだろ?その夢を潰すなんてできない」


わたしのため?


赤ちゃんとわたしのことを思って、ダメって言ったの?



わたしたちにツラい思いをさせないために、わたしの夢を叶えるために?


たしかに、わたしには夢がある。

小さなときからずっと叶えたかった夢。

小学生だったころ、一回しか言ったことないのに、ちゃんと覚えててくれたんだ。


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