親友!?幼なじみ!?恋人!?
ミナミ 4
●美波Side●
日が暮れて、すっかり夜になった。
なんとなく男女に分かれて部屋で過ごしている。
お風呂もみんな済ませて、後は寝るだけ。
でも、興奮して寝付けるわけがない。
真琴と女の子同士の話ってやつ?
盛り上がっちゃって、盛り上がっちゃって。
笑いが絶えない。
こんなに真琴と語ってんのも、笑い合ってんのも久しぶりかもしれない。
それを遮るかのようにケータイの着信音が突如鳴り響いた。
聞き慣れた着信音で自分のだと気づいてケータイを手にとると、ディスプレイには“稚早”という文字。
ほっとこうかとも思ったけど、「出なよ。」という真琴の声におされて、通話ボタンを押してしまった。
電話の向こうからは、テンションの高さがうかがえるほどの稚早の明るい声。
真琴との会話の途中だったし、そんなに喋ることなかったし、適当に喋って切るつもりだった。
けど、そうも思ってられなくなった。
稚早のたった一言で。
「慎吾なんか止めろよ!」
ケータイを持つ手に一瞬、力が入った。