親友!?幼なじみ!?恋人!?
沈黙の後、期待通りのような期待外れのような落ち着いた声が耳に入ってきた。
「何かあったのか?」
質問に質問を返されてしまったけど、稚早には判ってるんだ。
視線を地面の草に落とした。
3年前もそうだった――…
慎吾が真琴と付き合い始めた後、こっちに来た時も、一番にわたしの変化に気づいてくれた。
ついその優しさに甘えて、温かさに惹かれて、頼ってしまった。
今度も…気づいてくれたんだね?
でも、もう前のようなことはしないよ。
頼ってばっかはダメだから。
「ねぇ稚早。
わたし…前に進もうと思うの。もう、このままじゃ満足できなくなったみたい。慎吾に想いを伝える。多分・・・フラれると思うけど、吹っ切りたいの。このモヤモヤした気持ちをどうにかしたい」
落とした視線を今度は満天の星空にあげた。
「そか…」そう微笑んでくれた、ような気がした。
稚早が、この星空が。