親友!?幼なじみ!?恋人!?
玄関から少し先にポケットに手をつっこんで、空を見上げて立っている慎吾を見つけた。
小走りで片手を振りながら、「慎吾!」と呼びかけて駆け寄る。
視線だけをこっちに向ける慎吾。
笑いない笑い―――‥
そういう方がいいのか、表情は笑っていても心からは笑ってないように思えた。
『なに?』と尋ねるのも気がひけて、傍まで行っても、なにも言えずに立ち尽くしてしまった。
慎吾はゆっくりと体をわたしの方に向け直す。
一息ついて、口にした言葉。
「別れよう…」